10月5日の午後。
休憩時間にエレベーターの中でメールをチェックしていた。
「ふぇっ!?・・・えっ?!」
後輩や、他部署の人間がいる中で情けない声を出した。
なんの気もなしに、P.T.A.からのメールをいつものように開いた。
大きな声出し可能な公演(マスク着用あり)として開催をいたします。
この一文を読んで眠気が吹っ飛んだ。
今思い返しても脳天を撃ち抜かれたような衝撃。
どういうこと……だ?
マスクをつければ大きな声を出して良い……?
え、どこで出して良いの?
10月7日の仙台公演でいいのか。
………え、なんで?
当日までに想定される収容率(32%)に鑑み、
メンバー・チーム一同の意思を踏まえ、
宮城県及び会場との協議の結果、承諾をいただけたから………
マジかよ・・・・・・・
マジかよ!!!!!!
ついに声出して良いのか!?
心の中で声が出せるライブができる喜び、チームPerfumeが声出しをできるように掛け合ってくれた感謝。この知らせを受けて、自分の心の中にプラスの気持ちが沸き出る。
しかし、直後に気になった文言。
それは・・・「収容率(32%)」
すなわち満員御礼ではないということ・・・・
もう一度メールを読み返す。
※イベント収容定員50%以下のイベントは大声ありの公演として実施可能です。
※座席につきましては間隔を開けてご案内させていただきます。
※大きな声出し可能な公演は、このツアーでは7日宮城公演限りとなります。
※当日収容できる人数(50%以内)分のみ当日券の販売も予定しています。
先ほどまでライブで声が出せる特別な公演に参戦できる嬉しい気持ちで、心がいっぱいだった自分も手放しで喜んではいけない空気を感じた。胸の中がざわつく。Perfumeの三人はどんな気持ちなんだろう。。。。
と、今にもPerfumeのもとに走り出したくなる気持ちを抑え、Twitterを開きみんなの情報をサーチ。みんなも同じ気持ちだよな。うんうん。ほぉ・・・そうかそうなのか。おっけ。
中でも32%という数字がみんなも気になっているようだった。
自分の中では32%はファンである自分が気にする数字ではないと感じた。だって単純に考えて、PerfumeやPLASMAツアー、中田ヤスタカが作る音楽の人気を示す数字ではないからだ。
10月7日という平日に、仙台の僻地(グランディ21・セキスイハウススーパーアリーナ)で、19時開演で行われるライブに行ける人。参加することを選べた人。それが会場の32%を埋める人数だけだった。ライブに行けなくてもPerfumeを愛する人。もうすでにPLASMAのライブに参戦したPerfumeを愛する人。仕事が入った人、予定がある人。様々な人がいる。現にTLには急遽参戦を決めはじめている仲間たちも現れ出している。行けなくてもそれぞれの思いをツイートに表現する人たち。Perfumeを信じて、Perfumeのために生きる人々がこんなにもいる。
これは・・・きっと7日の仙台公演はとんでもないものになる。この時点から確信していた。
いざ、宮城へ!
10月7日 午前11時 @東京
しとしとと雨が降る東京。
宮城までの道中も雨予報。こんな時のBGMはもちろんDrive'n The Rain一択でしょ!
車に乗り込み、約300kmの道のりをひた走る。
普段はSAでゆったり、まったり各県の美味しいものを啄みながら向かったりする。
しかし!今日だけは休憩もそぞろに宮城に急ぎたかった。常磐道の福島区間では追い越し車線がない区間もある。何キロか置きに現れる追い越し車線では「ごめんよ!仙台に急いでいるんだ!!」そう言いながらついアクセルを踏み込む。その気持ちがPerfumeにかける思い。心のタコメーターはすでにレッドゾーン!常にフルスピードで走る…それが俺の人生だから。Perfumeと生きる俺の人生だから…!
車の中で運転しながら大きな声を出す練習をしたりした。
あれ?どうやって大きな声出すんだっけ。なんて言いながら「あーーちゃーーん」とか叫んでみる。やっぱりしっくり来ない。2年半もの間に習慣が変わったせいだ。声が枯れるほどの大きな声を日常の中で出す機会は自分にとってライブ会場くらいしかなかったから。声の出し方がわからなくなっていた。
あとPLASMAのアルバムを聴きながら運転すると、口ずさんでしまう不思議。
ポリリズムとか、レーザービームとか基本的にPerfumeの曲っていくらノリノリでも聞くだけなんだけど、ハテナビトやDrive'n The Rainや、さよプラなんかは結構ノリノリで高らかに歌ってしまう不思議。これなんなんだろね??うーん!チルい!環境になじむ!最高だね!PLASMA!!!大好きだよ!PLASMAぁあ!!!
15時30分 @宮城
開演の3時間半前に宮城に着いた。
あっという間についた。本当にあっという間に。宮城に祖父の家があるため、宮城まで運転する機会は多く慣れているにしても、ここまであっという間についたと感じるのは初めてだった。
実質的な距離だけじゃない。どんなに離れてても相手を思えばすぐそばに感じる。まるで恋だね。(?)
会場となるセキスイハウススーパーアリーナは車であればアクセスは比較的良い。車であればね!!!
宮城も相変わらず雨模様。気温は10度。先週までの暑さはどこにいった。
一度そのまま会場へ向かい駐車場に入る。
左手にはセキスイハウススーパーアリーナ、右手には駐車場。その駐車場の入り口には一緒に旅をするツアートラックと、ひとまわりも小さなPerfume Closetのトラックが!「うぅぅおおおお!」なんて叫びながらハンドルを切り駐車場に。もう気持ちが昂る。
寒い雨の中雨合羽ひとつで誘導してくれたお兄さん(イケメン)が、再入場不可であることを教えてくれた。キュンとした。(!?)
サービスエリアを楽しむことなく車中でお菓子をつまみながらの道のり。さすがにお腹も空いた。
街へ繰り出すためUターンし、一度会場を後に。
向かうは近くのスーパーマーケット。
俺好きなんすよ。
遠征先のスーパーのお惣菜とか、その地元に根付く味みたいなローカル感。
その味を求めてヨークベニマルへ!
そこで仙台名物の梅納豆巻き(?!)
ずんだ団子(これはおいしかった)をおやつに。
17時00分 @セキスイハウススーパーアリーナ
再び会場入り。
開場時間まではなんだかんだで30分。
車の中はあたたかい。車に打ち付ける雨音が心地よ・・・く・・・眠くなる。
しかし!3分も歩けば、そこはライブ会場!!!壁の向こうにはPerfumeが待ってる!
会いにきたんだよ!今日の日を!!
あーもう!眠気はさようなら!
雨の中トラックを撮りに行き・・・
3人に傘をさしてあげるイメージで。
再び車の中。
車の中はあたたかい。。。。。
いーーや!気づけば開場時間!!!
いち早く会場の中に入りたい思いがふつふつと湧いてくる。
いざ、会場へ。
17時45分 @会場入り口
ついにきた。今日の日を迎える。
この会場に来るのはCOSIMC EXPLORERぶり。
自分にとって初めての遠征の地。
一人で夜行バスに乗ってきた仙台。
シャトルバスで来た場所。
その時のことを思い出す。あの時から変わらない、むしろ増し続けるPerfumeに対する思い。
今日はあの時のように声で伝えることができる喜び。
入場ゲート右側には当日券の受付が。
そこに出来る15人程度の列。
俺はそれが本当に嬉しかった!!!
うわーー!!当日券のところに人が並んでるじゃんか!!!ありがとう!!!今日のライブいいものにしような!心の中でみんなに語りかける。
そして発券・・・・・
まさかのアリーナ!!!!!
しかもセンターステージ斜め前
3列目付近・・・・!!!!
訳わからなくなって「やったわ・・・これ。これはだめだよ。」とか言ってたのを思い出す。
こんなにも自分がいい思いをしてもいいのだろうか。なぜか後ろめたさ・申し訳なさすら感じた。でもこれは今日自分に与えられたチャンス。Perfumeに日頃の思いを伝えるチャンス!
ひとつづつ間隔が空いた座席。そこは荷物置き場ではなく、今日ここに来られなかったみんなの魂の宿る場所。そして参戦することを決めた俺らが安心して過ごせるようにと決められたルール、いつにも増して大きな動きでPerfumeに思いを伝えるためのスペース・・・!
Twitterを介してお留守番のみんなの気持ちを受け取る。魂が続々と仙台の僻地に届き始める。
不思議とかの会場のどこかにやりとりしてるみんながいるんじゃないかな?スタンドの端の方にいるんじゃないかな?って思った。みんないつもありがとう。
こちとら全力でやることを決めた。
もう興奮から席に座ってなんかいられない。
いくよ。俺の思い、僭越ながらみんなの思いを乗せて!
俺は今日はハジけるよ!!!!!
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ここからはライブレポ。簡単に演出や曲名を含めて記載していきたいと思います。
ネタバレを避けている方はここから先は、こちらのブログでお楽しみください。
いまでは浅くて恥ずかしいくらいのアルバムPLASMAの感想と考察。
ツアーを回っていくとどんどんアルバムや曲に対する思いや見え方も変わってくる。
これはまたライブ後に伝えることができたらと思います。
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18時45分 @アリーナ席
15分前の影アナが始まる。
影アナのお姉さんの緊張が伝わってくる。
「本公演は大声ありの公演です」
このツアー、今までのライブでも聞いたことのない文言が追加されている。
そのあとに会場内に拍手が起きる。
そして「FOOOO‼︎」どこかの誰かが叫び出す。
影アナが終わると、会場内の温度がグンと上がった。
手拍子も起きはじめた。
ついに始まった。
俺らが過ごしてきた「日常」がここに戻ってきた!!!!!!
「のっっっっっっちーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー」
「ゆがぢゃぁあああああああああああああああああああああああああ(裏返り擦れ声)」
「あああああああああああああぢぁああああああああああああああああああああああああ」
誰かの叫びに拍手が伴ってた。
はじまった!!!!
おいおい!!!!!!
早すぎんだろ!!!!!!!!!!!
いつもは5分前とかじゃん!!!!!!!
15分も前だよ!??!?!
なんて思ってたけど、次の瞬間には自分も叫んでた。
「ああああああぁあああああああああああああああああああぢぁぁゃああああああああああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!!!!!!!!!」
「ゆがぢぁゃああああああああああああああああああああああああああああああん!!!!!」
「のっっっっっっっっっっぢいいいいいいいいいいいいいいいいいいいいい」
「あいにぎだよおおおおおおおおぁおおおおおおおおおおおおおおおお、今日の日をありがどおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおお」
メンバーの名前だけじゃなくて自分の思いを叫んだのは自分でも驚いた。何言おうとかじゃなくて自然と出てきた。やっぱり伝えたかった。
今日このライブをしてくれてありがとうってことを。
そしてお前。
さっき声の出し方忘れたとか言ってなかったか?やっぱり体が覚えてるみたいだ。
スモーク煙るPerfumeのライブ会場に身を置けば、細胞が踊り出すのがわかる。
そして大きな声の出し方も思い出すってわけよ!
あとは「みきこせんせええええええええええええええええええええええええええええええええ」とか叫んでみた。そしたら周囲から拍手をいただけた。(?)ありがとうございました。(?)
あとは「あやのおおおおおおおおおおおおおおおおお」とか「Perfumeが大好きだ〜〜〜」とか叫んだ気がする。
俺だけじゃなくて会場全体もね!!!
もうその光景からみんなが興奮していたのがわかる。普段開演前ってみんな座って手拍子するのが多いと思うんだけど、もうちらほらと興奮を抑えられない仲間たちが思いっきり手を上げて、ブンブン頭の上で手拍子を始めてて。
俺も周りを見渡してそのみんなの気合いに感化されて、興奮して、あふれる思いが止められなくて。ブロックがひとつ隣の名前も知らんお兄さんとお姉さんと目があって、手拍子で盛り上がってお互い煽りあって!
俺も我慢できなくなって、そのお兄さんの近くまで行って
「今日!めちゃくちゃにやりましょうね!!!気合入れていきましょ!!!💪🏻💪🏻」
とか声かけてお兄さんも
「やりましょ!!!!最高っす!!!👍🏻👍🏻」
って応えてくれたり。
最高にあの空間はキマっちゃってた。
会場内の空気が今日の日を特別な日にするぞ。
そんな空気で包まれていた。
そして開演直前の影アナ。
影アナに対して「はーーーい」など返事するファンも現れず、改めて今日集まったPerfumeファンの意識の高さが感じられる。
「まもなく開演します!!」
さっきまで緊張していた影アナの声色がワントーン上がる。
それに応えるように俺らの熱気がさらにグンと上がる。
「ふぉおおおお!!!」
自分も反射的に声が出る。拍手だけの公演よりも力加減を忘れて手を打ち付ける。それは俺だけではなかった。32%+αの観客がそうだったろう。
中には声を出さずに今日の公演を楽しむ仲間たちも居たはずだ。その人たちも含めた会場全員、ファンだけではなく、PA席、カメラマン、スタッフの方々も含めた今日にかける熱気、思いが限界を突破しそうだった。
「のちー、ゆがぁちゃー、ああああちゃーーー!!ふぉ〜!!うあぁああああ!!!」
それぞれの思いが声となって、拍手となって会場に響き渡る。
揃うクラップ。
暗転する会場。
ステージ上が青く光る。
三人の深呼吸。
それに合わせて自分も深呼吸をするのが習慣。
バッチバチに興奮した自分の心を落ち着かせ、PLASMAの世界に没入するための儀式。
呼吸を揃えて、会場が一つになる。
幕が降りた瞬間の歓声。
今までの公演でも「我慢できなかった」「無意識に出てしまった」歓声を聞くことはあった。
しかしあの瞬間のあの演出は、声を出すなという方が難しい。
漏れ出る歓声はその人の感動だ。
「うわぁ!!!!」って声もあれば
「ふぁぁああ。。。」「うおぉ!」
さまざまな感動が会場に起こる。
ここまで大阪・広島1日目以外ツアーに参戦してきているが、毎公演あの瞬間は緊張するし、三人が登場した瞬間安心する。そしてそんな声が近くから聞こえるたびにその声に感動する自分もいる。
今日は我慢しなくていいんだ。
そう思うと不思議と声は出ないのね。
ここまでのツアーで声を出すことなくパフォーマンスを受け取り、拍手にその想いを変換してきた。やっぱり先行して出るもの。それが想い。
「うおぉ〜!!」自分はこんな声をあげていた。
叫ぶわけでもなく漏れ出る声。
周りとそれを共感しあうように。
それが数千と重なることで大歓声につながる。
PLASMAの登場であんなにも歓声が上がる世界。ついにこの日が来たんだね。
今日だけの特別。
そしてFlowが始まる。
「僕はただ信じていたくて」
「あの日から結局変わらない 僕らはいつだって 風のままさ」
「あの日」が指すのはどの日?
自分は2月25日のP Cubed東京ドーム公演を思い出す。
今日と同じようにマスクをしながら本気で、外野スタンド一階から声を出した。
明日は千秋楽。
あしたこそはアリーナ降りられるといいな。
よし!残り1公演を前に今日を楽しむぞ!!!
そんなことを思いながら、全力で声を出した。
でも、僕らに明日は来なかった。
あの日から結局変わらない。
Perfumeを思う気持ち。
フェスが中止になり、イベントが中止になり。
Perfumeと会えないことが当たり前になった日常もあった。
ファンの友達と会うのも憚られる時期もあった。
でも今は違う。
歩みを止めず、
Perfumeと今日の日まで生きてきた。
前に進み続けるPerfumeに導かれ、
ここまで生きてきた。
そしてみんなでたどり着いた今日。
マスクをつけて声を出してライブができている。
周りに同じ思いの仲間たちがこんなにもいる。
離れていてもPerfumeを想う仲間たちがこんなにもいる。
その事実だけで込み上げる思いが涙となって溢れる。
歌詞が、しみる。痛いほどにしみる。
三人が目の前で今日も元気にいてくれていることがうれしい。
今日自分がここに居て32%を構成する1人になれていることが、本当に心から嬉しい!!!
ポリゴンウェイブ・再生。
これまでのライブのパフォーマンスを思い出し、曲の歌詞を受け取り、今日を改めて噛み締める。
そして最初のMC。
あ〜ちゃんの思いが涙となって止まらない。
その涙は感極まる涙。そう思っていた。
あ〜ちゃんの言葉を一語一句覚えているわけではないが、さっきまで声出しライブをほぼ手放しで楽しんでいた自分が恥ずかしくなるような気持ちにもなった。
なんかあ〜ちゃんの声こもってるな。
音響の調整のせいか?と思っていたが、まさかのヘッドマイクが涙で水没していたという事件。
ダメだ……長い…!!!
長くなりそうなので後半へ続いてもいいですか!!…!!!!
後半!!!!
声を出すことを許された【PLASMA】の世界!
腕も肩も腰も足も声帯も!!フル酷使!!!
そんなレポをお届けしていきたい!!
coming soon.......!!!!!!!!