あなたは眠っている時に夢を見ることはありますか?
この夢というのは不思議なもので、もう一度見たくなるいい夢もあれば、覚めても一日中頭にこびりついて離れない悪い夢もある。…あるよね?
いい夢はたくさんあって、一富士二鷹三茄子を初夢で見るといいと言われ、好きな人が出てくる夢、Perfumeの3人が出てくる夢…俗に”ぱふゅ〜夢”と呼ばれる素晴らしい夢。
悪い夢では高いところから落ちる夢…歯が抜ける夢…職場や学校で嫌な思いをする夢…
絶対みんなも1回は見たことがある…よね??
仕事や学業で何かに追われているときは、それにまつわる夢を見るし。
好きな人とは目があっただけでその日の夜は夢にも出てくるし。(キャァ❤️)(キモっ)
でも夢ってまだ科学的にはよくわかっていないことも多いそうな。
私も…この間見た不思議な夢があるので、忘れないうちにシェアしたいなと思いこのブログを書きます…よかったら読んでいってくださいな。
−俺はPerfumeが大好きだ。
8月12日夜…妙にソワソワしながら眠りについた。
「あーこのまま会えないで終わるのかな…チケット当たるかな…クレカ変動のメール来ないな…」
Perfumeのライブが1年半ぶりに開催される2日前。しかし、自分の手元にはチケットはなかった。しかし、Perfumeから与えられた「最後のチャンス」を掴もうとエントリーを続けた。その結果が翌日の18時にはわかる。もしチケットが取れなかったら…など自分ではどうしようもないそんなことを考えていたら眠りについていた。
ーーーーー8月14日午前11時
自分は何かに導かれるようにシャワーを浴びる。
家のことを済ませて、賞味期限が近づいた卵を使ってオムレツなんかを作り食べた。
そして部屋着から、新しく買ったばかりのシンプルな黒いTシャツに着替え、1年半ぶりにスポーツスパッツを履いて、ハーフパンツを履いた。
そして日頃は適当に済ませる髪型も、鏡の前でケープFOR ACTIVEを使ってしっかりキメた。
午後12時30分
久しぶりに蛍光色のサコッシュを引っ張り出して、財布の中に免許証が入っていることを入念に確認して、新しく買った青いタオル、アルコールジェル、不織布のマスクを2枚入れて、車に乗り込んだ。1時間もかからずにどうやら目的地付近についたようだ。駐車場から徒歩で雨を避けながら目的地を目指す。10分程度で目的地に到着した。見覚えのあるTシャツを着ている人…自分も持っている傘…なぜだろう。たくさんいる。
15時55分
見覚えのあるTシャツ…カバンを持つ人々が等間隔に並ぶ列に自分も並んだ。
本当はこの人々を掻き分けて、我先に進みたかった。1秒でも早くこの会場の中に入りたかった。でもそれはできなかった。ゆっくりと、ゆっくりと進む列の中では「焦り、喜び、緊張」様々な感情が渦巻いていた。なぜだろう。胸がいっぱいだった。青いポロシャツのお兄さんに手にアルコールを吹きかけられる。そして免許証とスマホの画面を見せた。階段を1歩ずつ上がり「Gate P」の文字が上にある。それだけでもなぜか泣きそうだった。でも泣かなかった。
スマホの画面を顔の横にあて大きなタブレットのような機械に向かって立った。この先に進んでいいと言われた。銀色の袋と透明の物をもらった。その中身を見る余裕なんてなかった。
スマホの画面に表示されたフロア、ドア、列、番号の数字を目指して混雑するエスカレーターを避け左にある階段へ早歩きで向かった。2段飛ばしで4階へ向かった。ちょっと疲れた。
ついた。
暗くスモークが充満する空間を照らす暖色の照明。空間に響くハウスサウンド。
眼前に広がる光景に思わず息を飲む。
これが・・・・・polygon waveの世界・・・・・・・・
自分の知っているライブ会場ではない。
アリーナと呼ばれる空間にはL字の大きな大きなスクリーンがそのままステージになっていて、ステージの横からアリーナ全体にはびこる迷路のような一本道が3つのサブステージにつながる。アリーナに客席は一つもない。
開演前も会場には人々が行き交う音、係員のアナウンスが響く。
ハウスサウンドに合わせ自分の心拍がいつもより強く感じる。不織布のマスクの下の口の中が乾く。
強く強く胸が高まる。抑えきれない気持ちをTwitterに吐き出す。そんなことしかできない。
ーーーー会場の中でどこからともなく手拍子が始まる。
普段であれば3人の名前を叫ぶ。この日を待ち続けていた気持ちを自分の声に乗せて叫ぶ。
今回のライブでは大声を出すことができない。
だから拍手に想いをのせて。各々がそれぞれの想いを乗せて。
自分も力の限りに両手を打ちつけた。3人に会える喜びを、この想いを3人に届けられるように・・・
鳴り続ける客入れのボリュームが上がり、会場の手拍子が一つに揃った。
その瞬間、会場が闇に包まれる。
ポーリゴンウェイブ・・・・・・・・・・・・・・・・
ステージ全体を使った映像が始まる。
そして両サイド、サブステージに3人が立っている。
夢にまで見た会いたくてたまらなかったあの3人が立っている。
・・・・そこからの記憶はないわけではないが・・・朧げである。さすが夢である。
どうやら、この夢はみんなも見ていたようだ。
先ほどから「夢」という単語を多用している。
一言でこのライブを表現するならば「夢の中の世界」という印象を受けたからである。
ここからはライブの感想と、このライブの個人的な解釈を記載していきたい。
2020.2.26から2021.8.14までの1年半の間。
自分はライブという空間に足を運ぶことはなかった。正確には出来なかった。
Perfumeが出演するイベントのエントリーしたチケットは当選しても公演が中止になった。
こんなことが何回か続いた。「仕方ない」こんな言葉で片付けざるを得ない状況と、それに対して何も出来ないことが本当に悔しくてたまらなかった。
個人的に例えるならば「悪夢」のような時期が続いた。
それを表現するようなライブ中盤の3人がモノクロの穴の中から覗くシーン。まさに悪夢のような現実的な内容と、非現実的な表現や動きが同時に起こるそんな小気味悪さが衝撃的だった。3人の手が不気味にうごめき、ステージ上の3人のダンサーを追いかけていくパフォーマンスにはステージ全体を活用するアイディアやダンサーの方の表現力だけでなく、「前向き」を掟とするPerfumeが「陰」の雰囲気を感じさせるパフォーマンスをすることに衝撃を受け、気づけば呼吸を忘れて没入させられた。今考えてみるとMIKIKO先生が表現したかったことはきっとそれだけではないはずだ。自分には想像し得ないほどの大きな黒い塊が襲い掛かる。そんな悪夢を表現したかったのではないだろうか。少なからず今までの「Perfumeの掟」や「JPNスペシャル」などの前向きに進むPerfumeを体現するようなパフォーマンスではない。
だが、それがいい。こんな世の中でも前に進むしかないが、前が見えない、どうしようもないことだってある。Perfumeの頑張れは「ほらいくぞ!!!」という後ろからケツを叩かれるような応援じゃないと思う。1歩先を歩いて道を作って導いてくれる。10歩先でこの先の灯りを見つけてくれる。俺らの調子がいいときは先を歩く様子を後ろからそっと見守ってくれている。前に進めないときは一緒になって出口を探してくれる。そんな応援をしてくれる存在だと思っている。今はそんなPerfumeですら先を歩くことができない。Perfumeを卑下するのではない。ともに苦しむ時期を…ともに苦しみながら、その中で喜びを探しながら今過ごしているのではないだろうか。
ここまでネガティヴな話をしてきた。もちろん、今までと変わらない…いやそれ以上の3人がそこにはいた。ステージの上で輝く「陽」の3人の姿がそこにはあった。
再生終わりのタイミングでは3人のパフォーマンスへの賞賛だけでなく3人への想いをぶつけんばかりの5千人の全力の拍手が忘れられない。
そしてそれを受けて会場を見渡す3人の柔らかな表情。モニターに映るあ〜ちゃんが唇を噛み締めると会場の拍手はより一層強さを増し、轟音に変わった。自分も両手の痛みを忘れて両手を打ち付けることを止めることが出来なかった。
3人から出る言葉を一つ一つ受け止めるために前のめりになってみんなが聞いていた。
あ〜ちゃんが涙ながらに言った「ずっと会いたかったよ…」あんなにも心に刺さる言葉があるのだろうか。その気持ちに答えるかの様に再び轟音の拍手が会場を包む。もはや俺は拍手出来てたのかも定かじゃない。想いが昂り過ぎて溢れる何かで前が見えなかった。
のっちが言ってた「やっとのっちになれた」って言葉もすごくすごく心に残ってる。それを話す時ののっちの嬉しそうでたまらない表情が愛おしくてこっちまで嬉しかった。
ゆかちゃんの「やっと会えたよー!みんな今日まで本当によく頑張った!」この言葉でもう全てが救われた。1年半もの会えなかった期間の苦しみや悲しみが全て吹き飛んだ。同じ気持ちだったんだって素直に心から嬉しくて嬉しくてやっと会えたこの時間の尊さを噛み締めた。
Perfumeのライブらしさを徐々に体の芯から思い出す。パフォーマンスもしかり、3人の言葉に心満たされていくこの感覚を。
新時代のコールアンドレスポンスでは、14日の気分は男子とそうでない人だったのでグーと裏ピースを何回かかました。周りに結構な数のそうでない人がいた。ちょっと笑った。
そしてセットリスト。まさかの曲たちが勢揃い。
一曲一曲からこのライブにかける想いだったり、俺らファンへのメッセージだったりPerfumeの想いを感じることが出来たのは俺だけじゃないはず。
偶然にもこんな雨の日のみなとみらいの情景と重なる不自然なガール。3人しか立たないことがモットーとされてた、Perfumeのステージに16人のダンサーが立ち、MVの世界を再現したのは鳥肌。MIKIKO先生を筆頭にTEAM Perfumeがこのライブにかける想いが尋常ではないことを一曲目から感じた。それと共にライブが出来ない苦しみだったり、評価されるべき存在が評価されない苦しみ。これ以上苦しめないでね…というSOS。
PickMeUpでも自由に羽ばたきたいのにカゴに閉じ込められた鳥の様な印象を受けた。まるでこの閉塞した世界に生きる今を表す様に。
コンピューターでも解けないこの今。
これまでの楽しい思い出が心をつなぎとめていた。そして8月14日。そのぜんまいは再び動き出した。最大限界生きたいわ。この想いはPerfumeもファンである俺らも変わらない。お互い共に生きるって決めたのだから。ここから再生だ。
2018年に思い描くFuturePopの世界はこんな世界ではなかった。あの頃と今は違う。でもPerfumeと俺らはともに生き続けてきた。今日も。
平凡を許してくれない普段の水槽はあまりにも居心地が悪い。でも今日はのびのびとめいっぱいに手を伸ばして会いたかった人に会える。Perfumeが奏でる彩りのサラウンドと暖かな愛がぴあアリーナを包む。
この一年半キミをどんなに思い続けても私に出来ることなんかなくて。I still love Uは Perfumeを思い続ける自分と重なる。俺らを思ってくれるPerfumeとも重なる。次はいつになると会えるかな。そう思い続けた毎日は一旦今日で終わりだ。
しかし迷路のように見えないドアを探す日々はまだ続きそうだ。
どれくらいの時間を寄り添って過ごせるの?
分からないことだらけ…でも今日のこの時間だけは安心できる。Perfumeと一緒なら。この先もきっと。ずっと。
作り物だらけの世界で見る夢…ってなに?
きっと僕の夢は今この目の前に広がる光景だ。
そもそもこの世界で起きている全ては…コレハユメ?
そんなふうに取れるライブ前半の曲構成だったのではないだろうか。夢のように幻想的でありながら、現実的な内容の夢を見ていた。そんな印象だ。
無限未来では夢から一度覚めた。
未来を見せられるのではなく今を見せられた。
時間を止めて…震える光…
うそだ…やっぱりこれは夢だ……Perfumeと共に明るい未来へゆっくりと歩みを進めている…このストーリー。
ほら飛ぶよ?Are you Ready?
Perfumeが手を引いてくれる。
GLITTER-AlbumMixのイントロに合わせて身体が躍動する。この頃には身体も心もライブを思い出して今日という日を全力で楽しみ切る為に飛び跳ねていた。3人がこの高揚する気持ちを加速させる。2月の名古屋。キラキラの夢の中で約束した。また会おうねって。共に生きるって。キミと笑って。
今夜は誰にも邪魔されないフィールドで思い切って距離を詰めて。大人気キミにとって特別になりたいんだよ。この想いを届けたいんだ。全身を使ってなんとかその想いを表現すべく手を挙げて全力で音にノリ飛び跳ねる。こんなに快感を感じる事はあるだろうか。脳内でヤバイ何かが出るのがわかる。
一年半ぶりのポリリズム。
ほんの少しの僕の気持ちがキミに伝わるそう信じてる。まだまだ伝えきれない想いをポリループのクラップに込めて。5千人がそう思っていたはずだ。ピッタリ揃ったクラップが会場にこだまする…
それぞれが今を生きる。限られた時を生きる。
あの頃にPerfumeと見ていた宝物の景色達が脳内にリフレインする。初めて行ったJPN…初めての遠征のCE仙台…昨年のドームツアー。自分とPerfumeの思い出は全て宝物だ。
ここでまさかのMiracle Workerが。
脳天を撃ち抜かれたような衝撃だった。CE以降会いたいと願い続けていた。この曲には幾度となく助けられてきた。この曲への想いが溢れる。恥ずかしながらイントロを聴いて目の前の柵に手をついて肩を震わせて泣いた。こんなに大好きな曲に会えるなんて。嬉し過ぎた。愛してる。
会えなかった時間を取り戻すように、ひたすらに踊った。地団駄を踏むように周りの人もフロアを揺らしていた。4階だよここ。崩れちゃうよ…そう思うほどだった。
最高の盛り上がりで最後のMCへ。
のっちが言った「みんなが今日ここに来られなかった仲間の分の想いも背負ってきてくれてる事知ってます。みんなを通してたくさんの想いが届きました。」って言葉を聞いて本当に通じ合えている事がわかって本当に嬉しくて安心した。
ゆかちゃんにも拍手を通して気持ちが伝わった事んだね。P.T.A.の時に心から楽しそうに話をしてくれたり、涙を見せてくれるのが本当に嬉しいなぁって思う。
「新幹線も取ってました。でも中止になっちゃいました。残念です。でも3人の方がもっと悔しいですよね。」俺らの声があ〜ちゃんに届いていた。それだけでも嬉しいのに、俺らの声があ〜ちゃんたち3人の支えになれていた事を知ってさらに嬉しかった。それを生で聞けて嬉しかった。
そして「抗うから苦しいんじゃないか…感じたままに素直に生きてみよう」ってあ〜ちゃんの言葉が今の自分に強く刺さった。あ〜ちゃんの言葉はいつも自分と重なり自分を楽にしてくれる。裏を返せばあんなに太陽みたいなあ〜ちゃんも自分と同じように日々悩んでるんだなって。
お互いに支え合いたいなって素直に思った。
一度しかないチャンスを説明不要でばっちし合わせ手を挙げる。最後の最後までその手で想いを伝え切る為に酷使した手のひらはじんわりと赤くしびれてる。上腕全ての筋肉も1年半ぶりのライブに喜んでいる。
曲が終わり誰よりも誰よりも、早く強く拍手をしたくても心と身体は追いつかない。
ああ…ライブが終わる…
そう思った時暗転しまた音楽が流れた。
聞いたことのない曲が始まった。
P10だったか?STAR TRAINを初披露された時に似て、モニターに優しいフォントの歌詞が映る。
懐かしいようなサウンドに載せた3人の歌声。
今起こる事を全て捉えようとステージを見つめる。8月14日に聴いただけでも頭に残るキャッチーさはもはや異常だ。そして歌詞を読んでいくうちに「これはもしや…Perfumeと俺らの関係を歌った曲…?」そう気づいた瞬間体の力が抜けるように涙が溢れた。
「僕らはそう回る鏡 キミこそが光」
「だいじょうぶ だいじょうぶ って言ってくれるキミの」
「声が背中押して 今日もステージに立つの」
「本当は震えても」って歌詞がグッと来た。
これはぶっちゃけPerfumeが光にもなるし、俺らがミラーボールにもなり得るよね。
つらい毎日を乗り越える為に電車の中で聴くPerfumeの曲。テレビラジオの3人の声、姿。全てが光なんだよね。そして毎日みんながそれぞれのステージで頑張って働いて、勉強して、家守って。生きてるんだよね。
この曲を繰り返し繰り返し早く味わいたい。
そう思う新曲だった。
Perfumeはパフォーマンスを終えるとそのままゆっくりとステージの向こうに向けて歩き始めた。
「私たちは…夢の中」
「あっちとそっち…」
ぼんやりとしたステージの向こうに振り返らずに進んでいく。
帰らないで…帰らないでぇええ!
思わず叫びたくなる。だけど声が出せない。
遠ざかる3人を見つめることしか出来ない無力感。
モニターには
【See you at the next Stage.】
の文字が。
次のステージで会いましょう。
次はいつになると会えるかな…思い続ける日々がまた始まった。普段だったら「next LIVE」なのにな…なんて思ってた。
ライブ終了後の公式からの投稿の一文だ。
Perfume LIVE 2021 [polygon wave]2日間のステージを一緒に創って頂いた皆さん、ありがとうございました!
ご参加…お越しいただいた皆さん…じゃない?
え…あのステージを俺らも共に作ってたって言ってくれるの?とてもその表現が嬉しかった。
ーーーー8月16日6時20分
iPhoneのいつものアラームが鳴る。
おもむろに起きてシャワーを浴びる。
いつも通り仕事へ行く支度をする。
今日はなんだか心が軽い。身体はひどく疲れてるけど。
いい夢を見たみたいだ。きっとこの夢は死ぬまで忘れない。忘れたくない。
またこんな夢を見たい。Perfumeを思い続けて信じてついていきたい。世界が狂ってもどんな状況になっても。俺はPerfumeと共に生きる。
秋からはReframeのツアーも決まっている。
さぁ、そろそろ目を覚そう。
この一年半の眠りから覚めよう。
最高の夢をありがとう。