2022年8月20日。
PLASMAツアーが東京・有明公演から始まった。
有明の次は広島まで自分はお預け。
名古屋、大阪公演は…我慢だ。そう思っていた。
有明2日目を終えるまでは。
8月末日。翌月の勤務シフトが発表され、真っ先に気にしていたのは 1日、6日、7日の3日間。もともと勤務の希望は出していなかった。
31日は日勤…17時に終わる。
1日は休み…2日は日勤………………
6と7は日勤か……くそっ
この瞬間自分の中で何かが動く音がした。
平日開催19時開演の名古屋公演…完遂は不可能かもしれないが…初日から2日間とも参戦不可能ではないな………
職場の最寄りからガイシホールの最寄駅である笠寺までの乗り換え検索を繰り返した。まるで失敗できないデートの前日のように………!
2022年8月31日
朝起きた自分はいつも通り職場へ向かう支度を始めた。
しかし2日分の着替えも用意しリュックに詰めている自分は普通じゃなかった。そして、WHITE Tに袖を通し。いざ、行かん。名古屋へ。
この時点でまだホテルも、ライブのチケットも新幹線も、帰りの手段も取っていない。
さぁ!!いざ行かん、名古屋へ。
かろうじて理性が働き一度職場へ向かうことが出来た。そしていつもよりも1.8倍くらいの速度で仕事をこなした。あっという間に午前が終わる。そして、職場の状況的にも今日は定時上がりを目指せる…!そう確信をした。
お昼ご飯を食べながらも、仕事のことなんて考えてられない。帰りのこと、チケットのこと、ホテルのこと。ここで急ピッチにすすめた。
そして16時57分。
最後の患者さんのリネン交換を終え、手洗いを済ませナースステーションでその時を待つ。
時計の針が17時を指した。
白衣を着た偽りの自分から、WHITE Tという衣に自分を纏わせることで、本来のあるべきはずの素の自分へ変わった。タクシー乗り場に急ぎ、タクシーの中で東京発名古屋着の新幹線を抑えた。(サンキューEX!!!!)
定時から51分後。
僕を乗せたのぞみ99号は東京駅のホームを滑らかに飛び立った。
ここから新幹線の間はどうあがいても急ぐことは出来ない。
駅のホームでひとまず買った、コーラとじゃがりこ(サラダ味)をテーブルに広げ、束の間の旅情を味わう。
窓の外に広がるビル群。定時を過ぎてもなお働く人々が照らす灯りがこの街を彩る。
こうして #退勤後チャレンジ は始まった。
新横浜を出るあたり、今日のライブチケットを取り損ねていることを思い出した。
Twitter上で行けなくなってしまった人のチケットを救いたいなんて、烏滸がましい思いも虚しくぴあの当日券のボタンをタップした。発券の必要性があると知り、慌てて会場付近のファミマを探す。幸いにも笠寺駅前店があった。これでひとまず会場には入れる。ほっと安心した。
そうこうしている間にも窓の外の風景が移ろぎ、名古屋に近づく。開演時間も刻一刻と近づく。Perfumeに想いを馳せていると、テーブルの上のじゃがりこの蓋を開けられないほど、あっという間に時間は過ぎた。
自分はどうしてここまでするのだろう。
冷静になって考えてみた。
有明公演を見終わった時に感じたあの満足感。そしてここから始まるツアーの可能性。Perfumeへの思い!それらがライブ後から止まらない。これからツアーで起こるすべての瞬間を可能な限り自分の目で見たい。Perfumeに自分が日頃どれだけ救われているのか、愛を募らせているのか、PLASMAの曲たちをどれだけ愛しているのか。。。
伝えたい。
Perfumeに自分の思いを届けたい!
その思いが自分を突き動かした。
推しは推せる時に推せ。
そんな言葉がしっくり来るような来ないような。
推しなんて言葉で言い表せない程に、Perfumeは私にとって大切な存在であるから。今新幹線に乗って会いに行く。ただそれだけだ。
車内が1段階明るくなる。名古屋への到着を知らせる最新のN700系supremeの機能だ。
グッと気が引き締まる。
デッキで到着を待つ。
19時31分定刻に名古屋駅のホームへのぞみ99号は滑り込んだ。
ドアが開いた途端、ケージから放たれた子犬のように3番ホームへ向かい駆け出した。
乗り換えは不慣れな駅だが、すぐに着いた。
そして新幹線の中で調べていた3番ホームの電車に飛び乗った。
しかし…自分の中の第六感が働く。
いや!大丈夫だ!乗れば着く!3番ホームの電車だとGoogle先生は教えてくれた!
根拠のない自信がもう1人の迷う自分を平手打ちした。
この選択が…間違いだとも知らずに……。
電車は動き出した。
自分はもうすぐ笠寺に着く。
その安堵から自撮りなんてしてみたり。
ああ…憎たらしい…自分がただただ憎たらしい。
ふと窓の外を眺めると「日本ガイシ」の青い文字。
お、もうすぐ着くんだな^_^ よーし走るぞー!ファミマでチケットを出して…!
しかし…電車は止まる気配がない。
車内の電光掲示板を見ると
次は 共和 キョウワ
の表示が。
自分は名古屋に長けていない。
それにしてもこの状態はおかしい!ともう1人の自分が騒ぎ立てる。Googleマップで共和を調べる。
…?!
全身を寒気が覆う。
ま、、、間違えてる…
しかし元々遅れてるということもあり、何故だかここで落ち着いた。
よし、戻るしかないね。
そう思う自分を慰める自分と責める自分。
たくさんの自分を引き連れて電車は共和駅に到着した。
……つづく!!!!!